「建築スタッフが選んだ家づくり」第六弾!
〜スタッフが語る「理想の暮らし」と「設計の裏側」〜
■ 住む側になって感じたこと、分かったこと
建築会社のスタッフが、自らの暮らしの理想を叶えるための家づくりの舞台裏や、
スタッフだからこそ感じるリアルな部分を、ゆるりとお伝えしているコラム。
自社で家を建てることを決意した彼女の“気づき”をテーマにお届けしてきたコラムも、
いよいよ最終回となりました。
「建築スタッフが選んだ家づくり」第六弾!
今回は、「住む側になって感じたこと、分かったこと」。
家づくりを “つくる側” から “住む側” へ——
その視点の変化から見えてきたリアルな声をお届けします。
想像以上に大変だった、決めるということ
「こんなに大変なんだって思いました。」
そう笑いながら彼女は話します。
設計・施工のプロとしての視点と、施主としての理想が交差する時間は、
想像以上にエネルギーを使うものだったといいます。
素材選び、間取りの検討、仕様の決定——
そのすべてを自分で判断していく過程は楽しくもあり、ときには悩ましい時間でもありました。
仕事や子育てと並行しながらの家づくりは決して楽ではなかったものの、
「あの時、妥協せずに決めきってよかった」と今は心から思えるそうです。
“つくる側” の努力を、肌で感じた時間
もうひとつ、実際に家づくりを経験して改めて感じたのは、スタッフたちの仕事の大きさと多さ。
「みんないつも全力で取り組んでいるのは分かっていたつもりだったけれど、
実際に自分が施主になると、
“こんなにたくさんの人が、こんなに細かいところまで気を配ってくれているんだ” って感じました。」
現場監督、設計担当、大工さん、職人さん——。
一人ひとりの動きが連携し合いながら、ひとつの家をつくり上げていく。
その裏側には、膨大なやりとりと判断の積み重ねがあります。
「私は社内の人間だから、すぐに確認や相談ができたけど、通常お客様相手だとそういうわけにいかない。
その限られた時間の中でベストな判断を導いていくスタッフたちの努力は本当にすごいと思いました。」
“分かっていたつもり” が、“本当に分かった” へ
日々のやりとりを通して、彼女が感じたのは
「わかっているつもり」と「本当に分かる」の間にある小さな差。
その小さな差は、実は大きな意味を持っていたのかもしれません。
“つくる側” として日常的に見てきた家づくり。
でも、いざ “自分ごと” として体験してみると、
そこには想像以上の工程と、人の思いがありました。
今回の家づくりでは解体作業もあり、
神主さんをお呼びしての鎮めの儀式や井戸仕舞い、上棟式など、
ひとつひとつの行事を経験する中で、家がこれから立ち上がっていく実感が湧いてきました。
身の引き締まる思いと、家づくりに込められた思いの重みを改めて感じました。

仲間と一緒にチームとして作り上げていく過程の大切さを実感し、
「今回の経験で、私自身が“お客様の気持ち” をより深く理解できるようになった気がします。」
その言葉には、スタッフとして、
そして施主として家づくりを体験した彼女ならではの実感がこもっていました。
改めて振り返ってみて、彼女はこう言います。
家づくりは単に建物を作るだけではなく、
多くの人々の協力や想いが積み重なって完成するプロジェクトであることなのだと。
自ら施主として関わることで、
改めてチームの大切さや、家づくりに込められた人の思いを
深く理解することができたのだそうです。
家づくり。
それは、建てることで終わりではなく、
住みながら、気づき、学び続けていくもの。
家づくりは “完成” がゴールではなく、
“暮らし始めてからが本当のスタート” なのかもしれません。

またひとつ、新しい暮らしが創られていく——
今後の彼女の暮らしがより心豊かなものになりますように。
私たちスタッフもそっと見守っています。
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